インドで定番の薄焼きパン「チャパティ」。インド人が手際よく大量生産している様子を見たものの、なんだか難しそうだなあと感じていました。が、インド人に教わった通りにやってみたら、とっても簡単な上に、ちょっとした工夫であっと驚く美味しさに。
インド人から教わったレシピと秘訣、そしてカレーだけじゃない、アレンジ方法まで紹介します。手軽な上に、自分でつくればヘルシー、パーティーメニューにも使えるチャパティです。
チャパティって何?
チャパティとは、全粒粉でつくる薄焼きパンのことで、インドでは欠かせない主食。日本では小麦粉を原料としたナンも有名ですが、インドではチャパティは必ずと言っていいほどカレーとセットで出てきます。
写真はターリーと言って、北インドで食べることのできるカレーのセットメニューのようなもの。
お店によってはご飯もパンも両方ついてくるの?そんなに食べられない、と躊躇したのは最初だけ。カレーとの相性抜群、そのまま食べてもほんのりとした全粒粉の甘みがクセになります。
ローカルな屋台だとチャパティはおかわり自由、または写真のように小さめだけれど2枚以上ついてくることも。嬉しいようなついつい食べ過ぎちゃって困ってしまうインドならではのサービス。
チャパティづくりに必要な材料はこれだけ!
材料はたったの4つだけ。発酵不要で、つくり方はとっても簡単。なので思い立ったらすぐにつくれて食べられるのがまた嬉しい!
【8枚~12枚分】
全粒粉:300g
水:200-250cc
塩:ひとつまみ
オリーブオイル(お好みで):大さじ2~3杯ほど
打ち粉:適量
※オイルを加えると柔らかくなります。ちなみにインドでは入れていませんでした。
※お水は大体の分量です。というのも、粉(メーカー)によってべたつき感が違うと気づきました。最近使っているメーカーは粉の分量に対して約半分量のお水を入れるとちょうどいい感じです。
つくり方:材料を混ぜてからこねるまで
ボールに全粒粉、塩、オリーブオイルを入れて全体に行き渡るように混ぜる。水を少しずつ加えていきながら生地を混ぜる。
生地がまとまってきたら、こねる作業に。こぶしでぎゅっと押し付けるように、押しては返し、を繰り返しましょう。(パンをつくる時と同じ要領で)最初は少しベタベタしてるかな?と思っても3分から5分こね続けていると、生地がしっとりなめらかになります。
お水と粉の割合は、生地が手にくっつかないベタベタしていないのが目安です。しばらくこねてもベタベタしてたら粉を足す、パサパサだったら水を足してみてください!(でも少しベタベタとしていても、成形するときに粉をまぶすのであまり気にしなくても大丈夫です)
円型にして乾燥しないようにラップをするか、布をかぶせ最低30分ほど寝かせるだけ。
つくり方:成形から焼くまで。インド人直伝の美味しいチャパティの秘訣
- 卵ぐらいの大きさに生地を分けてとる
- 両手を使って丸くこねる
- 粉をまぶし、生地を柔らかく押し平らに
- 親指、裏側は人差し指、中指、薬指を使い、生地を回しながら餃子の生地の大きさになるぐらいまで広げる
- 打ち粉をしいて、めん棒を使い生地を広げる。めん棒を転がしていくと生地が自然に回転し、きれいな円形に
一方にしか広がらないときは(卵形に広がる)、途中で生地の向きを変え円形になるようにする - 片方の手のひらともう片方の人差し指、中指、薬指をうまく使い生地を両手でキャッチボールさせるようにし、生地についた粉をとる
つくり方:チャパティは焼き方にもひと工夫!
テフロン加工のフライパンがあれば生地がくっつかないのでおすすめです。生地がフライパンにくっついてしまうようでしたら、バターやオイルを敷いて焼いてみてください!
両面に火が通り、こんがりと薄く焼き目がついたら最後は直火に投入!
ふっくらと膨らんだら成功です。
冷めても美味しいチャパティですが、焼き立てや温かいものを食べたいもの。たくさんの量を焼かなくてはいけない時にはコンロを2台使うなどして、時間を短縮する方法など試してみてください。
インドでは、写真のようにアルミホイルで包んだチャパティをお鍋に入れ、保温するというアイデアもあるのです。
カレーだけじゃない!チャパティのアレンジ方法
カレー、野菜炒めやサラダをつくって、ヨーグルトと一緒にインドのターリーのように盛り付たら、気分はインド!また、自家製のペーストを添えるだけで違う食べ物に。
レタスやルッコラなどの葉物、カットしたトマト、チーズをスライスして挟む。また、もう一手間かけて、卵料理やじゃがいも、サツマイモなどをオーブンでグリルしたものとも相性抜群。要はなんでも合うということです!
盛り付け次第であっという間にパーティーメニューに変身。
レンズ豆でつくったヴィーガンハンバーグにも合わせてみました。ファラフェルサンドみたいにチャパティで包んで食べます。結局のところインド以外では、カレーと食べることはほとんどないですね……
残った生地は冷蔵庫で乾燥しないように保管しておけば、翌日でも美味しく食べることができます。私はまとめて全部広げて焼いてしまって、冷蔵庫で保管。食べるときにフライパンで温めなおしています。
おまけ : インドでのチャパティの思い出
私のインドでのチャパティの思い出話を最後に。
旅行中の食事は、屋台がメインでたま〜にレストラン、そしてアシュラムにもいたのでいろんなターリーを食べました。カレーの種類が豊富なので、味はカレーなんだけれど具が違う、でもカレー。滞在した3ヶ月間に一体何枚のチャパティを食べたんだろう、とこれを書いている今、ふと思いました。
インドのオープンエアーレストラン(屋台)では、黙っていると勝手にチャパティを追加してくれるところもありました。(笑)
そして、インドのシーク教の聖地「アムリトサル」にある黄金寺院。ここには巡礼者だけでなくツーリストも受け入れている食堂があります。
シーク教の信念「人類皆平等」を基に、この食堂では全ての人が無料で食事をいただくことができるのです。無料で提供される食事がつくられているキッチンの様子はというと……
平均して1日に10万人分もの食事を提供するという巨大食堂のキッチンでは、1日中食事づくりが行われ、まるで工場の流れ作業のよう。
ほぼ1日中大量のチャパティがつくられています。写真からだと女性しか働いていないように見えますが、男性は大鍋をかき回していたり、重たいものを運んでいたりしていました。
確か機械でまとめて焼いていたのだったと思います。絶え間なく出てくるチャパティの数々。
10万人分のチャパティ、一体1日に何枚のチャパティがつくられているのでしょうか?!
食事をいただく代わりに、野菜を切ったりお皿を洗ったり、何か手伝うというボランティア大歓迎なので、アムリトサルを訪れた際は裏舞台ものぞいてみてください!
インドのカレー事情、記事で紹介したインドの「アムリトサル」にあるシーク教の黄金寺院については別の記事で紹介します!