ブラジルにいるときに出会ったカカオセレモニー。心を開く効果があることでカカオは注目され、今やカカオセレモニーは世界各地に広がっています。
元々はマヤやアステカ文明まで3千年位さかのぼる歴史があり、神聖な儀式。現代では昔とは違った形で取り入れられていて、ヨガや瞑想、ダンス、サウンドヒーリング、などと組み合わせて行われています。
私が初めて参加したのは2018年のこと。カカオと聞いただけで反応する私はどんな内容なのかも知らずにyesの返事。その後機会があり、タイとコロンビア、再度ブラジルでも体験しました。
「カカオセレモニーって何をするの?」「どんな効果があるの?」という謎を、実際の体験談から紹介します!
カカオは「神々の食べ物」そして「愛の果実」?!
カカオセレモニーに欠かせないカカオは、誰もが知っているチョコレートの原料。チョコレート大好きな私にとってはそれだけでカカオはもう特別な存在。その上、カカオは「神聖な食べ物」と言われているのです。
というのもカカオの別名は「神々の食べ物」。カカオの学名が「テオブロマ」で、テオ (theos)は神、ブロマ (broma)は食べ物を意味するからなのです。
マヤやアステカ文明の頃からカカオを神聖なものとして大切にし、またカカオの偉大さを知っていた人々。
カカオは神々の使いによって山奥で発見されたという神話や、お供物として古くから儀式に使用されていたという記録も残っているとか。
滝を目指してブラジルの森の中を1時間ぐらい旅仲間とハイキングしていた時のこと。山奥に実がなっているカカオの木を見つけて興奮した。下の写真はカカオドリンクを飲みに行ったカカオ屋さんに飾ってあった絵。
この2枚の写真は、きっとカカオが発見されたのはこんな感じのところなんだろう、という私なりのイメージ。
カカオは食べることで喜びを与え、物々交換をしていた時代には通貨としての価値を持ち、神聖なものと崇められていた上に、さまざまな効能を持つ驚異のフルーツ。
また、キューバのカカオ農園でカカオのリキュールを試飲させてくれた時のこと。何よりも先にこれは「媚薬」効果があるんだよ、と笑顔で教えてくれました。そういえばブラジルでも同じようなことを言われたなあと、これを書いていて思い出した。
カカオは、神聖なだけでなく、愛の果実とも表現され愛情や心の象徴でもあるのです。
カカオセレモニーとその歴史とは?
神聖で愛の果実とも表現されるカカオを使ったカカオセレモニー。一体どんなものなのか気になりますよね。
古代の儀式は、マヤやアステカ文明の頃に既に行われていて歴史あるもの。当時は、宗教的や結婚などの儀式の際に神に捧げる贈り物としてカカオを使っていたそうです。また、当時からもお砂糖を入れず、カカオドリンクを飲む習慣もあり、儀式でカカオドリンクが提供されていたのです。
昔のカカオセレモニーはこんなイメージだったのかなと。ブラジルの先住民族の結婚式に参加したときの写真。
伝統を守っているセレモニーに参加したくてコロンビアにいる時に探してみたものの、出会えずでした。やっぱりメキシコとかグアテマラに行かないとダメかな?
現代のカカオセレモニーは古代と少しやり方が違っているけれど共通しているのは、「カカオ100パーセントのカカオドリンクをみんなで輪になって飲む」というのがわかりやすいかな。(詳しくは下で紹介しています)
輪になって座るのは、一体感を感じるためとか。カカオに限らず、私が参加したことのある他のセレモニーでも輪になって座った。
セレモニーで飲むカカオドリンクは、砂糖が入っていない濃度100パーセントの濃くて苦いココアみたいな感じ。(日本のココアは、カカオバターが取り除かれているので厳密には異なるものです)
カカオは種の周りの白い果肉の部分(カカオパルプ)を食べることもできるけれど、カカオセレモニーのドリンクで使われるのは種子の部分。
この白い果肉の中にカカオドリンクやチョコレートの原料となるカカオ豆が潜んでいる!
そして、発酵→乾燥されたカカオ豆を機械で粉砕すると下の写真にあるような細かい状態になるのです。これをぎゅっと押しながらタッパに詰める。(という作業をとあるコミュニティで手伝った時の写真)
もしくは下の写真みたいにおにぎりみたいにぎゅっと手で握る。
固まるとセレモニー用で使うカカオドリンクの材料、カカオ100パーセントのバーが完成!そのカカオバーをぬるま湯に溶かしてスパイスを加え、カカオドリンクとなるのです。
※発酵→乾燥の後にカカオ豆を焙煎するか、生のカカオ(ローカカオ)を使うのかは場所によって違い、効果も少し変わってきます。
ところで「カカオの原産地はアマゾン地方だよ」、とブラジルやコロンビアのカカオ農園ではそう聞いていた。でもメキシコやエクアドル、ベネズエラで既にカカオの木が栽培されていたという記録を読んだこともあり、この辺りは、はっきりとした定義がないのかな……
カカオとカカオセレモニーの気になる効果は?
カカオそのものの栄養分は数えきれないほどたくさん。
抗酸化物質、マグネシウム、テオブロミン、鉄、銅、マンガン、クロム、亜鉛、ビタミンC、レチノール、アスコルビン酸、ビタミンA、B1、B2、B3、トリプトファン、アナンダミドなど。
(参考:AMMA chocolateとCacau TIUA)
その効果は、老化防止、心臓の保護、血圧をコントロール、整腸作用、貧血予防、抗炎症作用と抗酸化作用、幸福感を高めるなどなど。
コロンビアのカカオ屋さんの人が「以前は毎朝コーヒーを飲んでいたけれど、カカオはカフェインを含むからコーヒーの代わりに100パーセントのカカオドリンクに変えたんだよ」と、言っていたのが印象的。
また、体に働きかけるだけでなく、精神的効果をもたらすカカオ。それゆえにカカオがセレモニーに取り入れられるようになってきているのです。一番注目されているのは、感情や感覚をつかさどるハートチャクラ(アナハタチャクラ)を開花させること。
カカオに含まれるテオブロミンは、血管や気管支の拡張、心肺機能を刺激、筋肉をやわらげ、自律神経を整え、ブロックしている感情を解放し、ハートチャクラに働きかける、つまり、心を開くことにつながるのです。
それによって自分の中に余裕ができて、届かなかった宇宙からのメッセージを受け取りやすくなったり、自分自身の心の声が聞こえやすくなるという効果があります。
そして、アナンダミドや幸せホルモンと呼ばれるセロトニンをつくりだす材料のトリプトファンは、幸福感や快感を高めてくれる!その上、ドーパミンとエンドルフィンの分泌を促進するので集中力ややる気の向上、ストレスをやわらげポジティブな気分になれるのです。
カカオセレモニーにダンスが取り入れられているのは、踊ることで幸福感がさらにアップするからだとか。
カカオセレモニーってどんな風に行われるの?
伝統的なカカオセレモニーとは少し異なる現代版カカオセレモニー。
新月に合わせて、サウンドヒーリングや瞑想、そしてダンスなどと一緒に行われています。新月は願い事や新たなサイクルを始めるのに最高の時期なので、新月の日が選ばれることが多いです。
セレモニーの手順はこんな感じ。
- みんなで輪になって座る
- オラクルカードをひいたり、願い事を書いたり
- カカオについての簡単な説明を聞く
- シャーマンがお祈りをして、みんなでカカオを飲む
- 瞑想したり静かに過ごして、カカオの効果を体全体で感じる
- サウンドヒーリング、エスタティックダンス、スピリチュアルダンス、ヨガなどへと導かれる(瞑想で終わることもあるし、何と組み合わされているかによってこの部分は変わります!)
もっと詳しいカカオセレモニー体験談は次回に紹介します!お楽しみに。