世界にはその国の大切な食文化として国民に愛される飲み物があるけれど、「マテ茶」って聞いたことありますか?私がマテに出会ったのはアルゼンチン。でも最初は、確か雑誌かテレビでその存在を知り、アルゼンチンに行ったら絶対に試してみるーと思ってたのです。
だって、「飲むサラダ」って何?そしてこのなんともいえない形の湯呑みと独特なストローに興味津々となったのです。
マテ茶ついてと、知っておいて損はない入れ方・飲み方のルールも紹介します!
「飲むサラダ」?! マテ茶とは
日本では、マテ茶(アルゼンチンではマテ)を「飲むサラダ」と紹介されています。なぜなら、栄養価が高いから。ビタミンとミネラルを多く含み、ポリフェノールも摂取できる嬉しい飲み物。
アルゼンチンのメンドーサにある大学の研究チームによると、悪玉コレステロールと中性脂肪を下げる効果もあるとのこと。
ちなみに味はものすごく苦い。でもこの苦味が癖になる。なんか苦いのを通り越して別の味。苦すぎて甘いものを欲しなくなるという感じ。だって、甘すぎるぐらいのものが好きなアルゼンチン人でも砂糖を入れずに飲んでいる人がほとんどだから。
甘いものに限らず、間食したいという欲望がおさえられている(と私は感じる)。コーヒー飲みながらチョコレートとか食べるの大好きなのだけれどマテはマテだけで楽しめる。もちろん、甘いものや何かをつまみ始めると止まらないけれど、マテだけで満足することがほとんど。そして集中力が高まる。私はものすごく気が散るタイプなのだけれど、ブログを書きながらよくマテを飲むと、ものすごくはかどる!!!
アルゼンチン人にとっての国民的ドリンク
マテは、アルゼンチン人にとって国民的ドリンク。日本で言ったら、、、昔のお茶かな?いや、日本では置き換えるものがないかも、あえて似ていると言ったらインドのチャイとかトルコのお茶かなと思う。
アルゼンチン旅行中ドミトリーで彼らと一緒に過ごすことが多く、朝起きてまず最初にすることが、お湯を沸かすこと!!!朝ごはんの用意もせず、お湯を沸かす。フルーツとかを食べ始める前にまずはマテの飲む、という人がたくさん。
そしていつでもどこにでもマテを持っていく山登り、ビーチ、川遊び、さらにバスを待っている間とか車での移動中もマテを飲む。
マテ茶の存在を知らないと、小さな壺のような容器の中身はちょっと怪しい飲み物?と思ってしまうかも。
どこにマテがあるかわかりますか?
旅行中にマテを試してみたい!って思ってもカフェやレストランにはおいてありません。週末の公園やビーチなどで地元の人に注目していると間違いなく発見できるので、仲良くなって仲間に入れてもらうか、自分でマテセットを買って、入れてみましょう!
アルゼンチン人にとってマテは、コミュニケーションの手段
アルゼンチン人にとってマテの飲むことは、栄養価が高いという意識よりも文化として根付いている気がします。だって、山登りの後には冷たい水が飲みたくなるはずなのに、魔法瓶の中には暖かいお湯、そして山頂でマテ。
ビーチや川に行く時も同じ。ビールを飲みたくなるのですが、もちろんビールを飲んでいる人もいるけれど、やっぱりここでもマテ。
あとは、例えばマテを飲もうよ!と言って誰かの家を訪ねたり、公園で待ち合わせしたりとか。
ちなみに、隣国のブラジル南部では茶葉がマテと似ているけれどちょっと違う「シマロン」、パラグアイでは冷たいマテ「テレレ」が飲まれています。
これがマテ茶セット!
マテを準備するのに必要なものは
- マテと呼ばれる茶葉
- 壺のような形をした湯呑みのような存在のマテ(茶葉と同じ名前でややこしい)
- ボンビージャ(フィルター付きのストロー)
- 熱いお湯(持ち歩くには魔法瓶も)
これらを知らないと、気づかなかったり、なんだろう?で終わってしまうけれど、アルゼンチンの市場などそこらへんで目にします。
ちなみに、アルゼンチンで人気のマテ茶メーカーはunionというもの。日本では手にないら入らないけれど、アルゼンチンに行った際には是非お土産に。
知っておいて損はない!マテの入れ方
- お湯を沸かす。
注意:沸騰させてはいけない。熱すぎるとマテの葉っぱが焦げてしまうのと、ストローで飲むので火傷してしまうから。
理想の温度は75度。お湯を沸かしていて水滴が出てきたら火を止める、もしくは沸騰させてから冷ます、という人も。 - マテの葉っぱを8分目ぐらいまで入れる。
注意:葉っぱを入れてから、マテに蓋をするように手のひらをかぶせる。マテを逆さまにして、上下に数回ふる。(写真の2を参照)
元に戻して、手のひらを取り除くと、手にお茶の粉、粉末がくっついています。これを取り除き、同じ動作を何回か繰り返す。(これはマテ茶の中に含まれ、ストローの小さな穴を塞いでしまう粉末を取り除くため) - マテ茶をマテに傾斜をつくるように敷き詰め、ボンビージャを傾斜の低い方に差し込む。
注意:ボンビージャを入れてからはマテの葉っぱを混ぜないように! - お湯を傾斜の低い方にゆっくり注ぎ入れる。
※正式な方法は、写真の③にあるように40度ぐらいのお湯をマテの傾斜の低い方にほんの少し注ぎ入れてから、ボンビージャをやはり傾斜の低い方に差し込む。
まわしのみが基本!マテの飲み方のルール
マテはひとりで飲んでもよし、でもひとつのマテを友達とシェアするのがアルゼンチン流。
マテを飲んでいる人たちを見ると気づくことが。必ず、同じ人が魔法瓶からマテにお湯を入れて、順番に友達に渡しているのです。これがセバドールと呼ばれる大切な役割。
セバドールからマテを差し出されたらどうする?何も言わずにっこり笑って受け取って全部飲み干すだけ。特に急いで一気に飲む必要はありませんが、あまり自分のところに留めておくと、他の人に順番が回らないので注意しましょう。
この状況では、ありがとうって言ってしまいがちですよね、でもそれは、もういらないよという意味になってしまうのです。マテが回ってきてもう飲みたくないなという時に「グラシアス(スペイン語でありがとうの意味)」と言いましょう。これでもう次はいらないよ、という意味。
マテは湯飲みのように、個性あふれるデザインがたくさん。マテを入れる道具は街中やスーパーで購入できるので、自分用のマテ セットを用意してみてはいかがでしょうか?!
マテ茶の葉っぱの種類とアルコールドリンク「シェキマチ」
マテとボンビージャを使って飲むのは、葉っぱが緑色のグリーンマテ。他にローストマテ(スペイン語ではマテ・コシード)という焙煎されたものもあるのです。
ローストマテは、沸かしたお湯に葉っぱを入れて、抽出して飲む、麦茶のようなイメージ。暖かいままでも冷やしても、お好みでレモンや砂糖、蜂蜜を加えてもOK。
さて、このローストマテで入れたお茶を使ったアルコールドリンクが「シェキ・マチ(xeque mate)」。これはアルゼンチンではなく、ブラジルのミナスジェライス州で、2015年に生まれたまだ新しいドリンク。
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このように缶や瓶に入って売られています。原料は、マテ茶(ローストマテ)、グアラナシロップ、レモン、そしてラム。苦い味のマテが入っているとはいえ、私にはあま〜く感じた1杯。アルコール度は8パーセントだけれど甘くて飲みやすいのでガブガブ飲んでしまい危険なドリンク。
ブラジルの屋外フェスティバルやカーニバルで今や大人気のアルコールドリンクとなっています。
ところで、みんなで飲んでいた時にふと、自家製シェキマチをつくろう!となり、グアラナシロップの代わりにハチミツを入れ、レモンもたっぷり入れて試してみたら、美味しく仕上がりました。興味のある人はつくってみてぜひ報告してください!