インドの山奥にあるガンジス川源流の村「ガンゴートリー」。標高3048メートルにあるヒンドゥー教徒の主要な巡礼地なのです。そして、その先のガンジス川源泉の地「ゴームク」までのトレッキングの起点としても知られています。
近くにあるヨガのアシュラムに行くのにいろいろ調べていた時に偶然知ってインドに行く前から気になっていた場所。インドのガンジス川といえば、汚れた水とか沐浴するヒンドゥー教徒で溢れかえっているという、カオスなイメージ。でも川の源流は、天気によって茶色やグレーに見えても清流そのもの、だと知ったから。
ちゃんと計画を立てていたわけではないけど絶対に行ける!となんの根拠もなく信じていて、そして実行できた。川と山からのエナジーが感じられるインドでおすすめの場所のひとつです!
聞こえてくるのは激流音だけ!「ガンゴートリー」ってどんなところ?
ガンゴートリーの村を流れるインドの聖なるガンジス川(ガンガー)。ヒマラヤ山脈からコルカタ近くのベンガル湾までその長さは2525キロメートル!(ちなみに日本の南北の長さは約3000キロメートル、意外と長い)
知らなかったけれど一本の川ではなく、幾つかの支流が一緒になりガンジス川となるそう。「ガンゴートリー」を流れるのは本流だけれど、ここでは「ガンジス」ではなく、「バギラーティー」という名で呼ばれているんです。
名前だけでなく、バラナシとかで見るガンジス川と違う驚くぐらい綺麗な水。
ガンゴートリーは周囲を山に囲まれ、切り立った山肌がすぐ近くに見えて迫力満点。まるで渓谷の中に突如として現れたかのような村。ヒマラヤ山脈の氷河が解けて流れ込む源泉は現在では約19キロ先の「ゴームク」だけれど、一昔前はこの辺り一帯も氷河に覆われていたとか。
ガンゴートリーの村の入口から、ガンジス川に沿って車も通らない村唯一のまっすぐな道が続いてます。ここにはレストランやホテル、巡礼グッズやゴームクを目指す人のためにトレッキングの必需品を扱うお店が両脇に並ぶ通り。
インドの街につきものの不快で耳を痛める車やバイクのクラクションとは無縁で、川の激流音が1日中聞こえてくる、そんな不思議な場所。
アールティも執り行われるガンゴートリー寺院
一本道の先にある女神ガンガーを祀るガンゴートリー寺院。ここを目指してインド各地から巡礼者がやってきていた。
宗教的な行事が行われていることが多々あり、お神輿みたいなの?を準備している様子を偶然見かけた。
夕方にはガンジス川流域の街で恒例の祈りの儀式、アールティは必須。ここか周囲にも寺院があるので川の近くでも執り行われています。
リシケシやハリドワールのアールティに比べるとこじんまりしていて、身近に感じるられるアットホームな雰囲気。
滞在していた時にちょうど寺院の中からは鈴やハーモニウムとともにキルタンの歌声が響き渡っていました。気になったて覗いてみたら中においでおいでとこれでもかと手招きしてくれ、ウェルカムな雰囲気は小さな村ならでは。
ガンジス川周辺をぐるっと一周してみよう
巡礼者に加えて、ガンジス川源泉の地「ゴームク」までトレッキングをする人もここ「ガンゴートリー」にやってきます。翌日からのタポバンまでのトレッキングに備え、高度に体をならすためガイドさんがお散歩に連れて行ってくれました。
小さい村ながらもやっぱりインド、水汲み場とかこれはなんだろう?的なものがやっぱりある。
ガンジス川にかかる橋を渡った反対側から見た村が圧巻!山が村に迫ってるのがわかります。
川にかかる橋を渡って対岸へ行く途中には、滝のように激しく流れる場所から、大きな岩や石がゴロゴロしているようなところも。(自然のものなので石の形が今は変わってしまっていかもしれません。)小さな村の中でもガンジス川のいろんな顔を見ることができますよ。
どこも素晴らしい風景で感動の嵐だったけれど、やっぱりこの日のハイライトはここかな。ガンジス川が滝みたいに流れまくっている。
対岸はお店やホテルもなく、道は舗装されていなくて、木が多い茂っています。途絶えることのないガンジス川のゴーっという音や鳥の鳴き声に風の音、延々と聞いていられると感じる自然の騒音。
修行者がこもって瞑想をする大きな洞窟も案内してくれて、恐る恐る中へ。意外にも?!火をおこせるスペースにお鍋、調味料やインスタント食品などもありました。でも私も瞑想をするけれど、正直なところは長くはいられないなあ、という空間だった。
聖なるガンジス川の清流で沐浴!
川のすぐ近くまで降りて行って清流をより近くで見ることもできます。汚染とは懸け離れたピュアな水に触れることもでき、巡礼者は水を汲んでお守りとして持ち帰っています。
ヨガの養成講座コース中に1日ガンゴートリーに行くプログラムがあり、みんなで行った時のこと。こんなに澄んだ水なら沐浴しよう!となって沐浴にチャレンジしてみました。水の流れが見た目の通り速いので、場所をよく選んで周囲に人がいるかも確認しましょう。
氷から溶けたばかりの水はひんやりを通り越して極寒、でも頭まで浸かるとスッキリ、さっぱり心も体も洗われた瞬間。ちなみに沐浴は頭まで水につけて3回繰り返すのが正しいやり方だそうです。
水源の「ゴームク」とインドの楽園「タポバン」まで行ってみよう
ガンゴートリーからは富士山よりも高い、標高3892メートルにある水源「ゴームク」が19キロメートル先に!さらにさらにその先の標高4460メートルにある「タポバン」までの2泊3日のトレッキングは、天国へと続く道というほどの絶景続き。
とにかく疲れたけれど、ガンジス川の源泉で見て触った氷、途中の休憩スポットでbabaと一緒に歌ったマントラ、夕食で食べたチャパティ、高い山から顔を出した朝日、真っ青な空に浮かぶ満月に近い月、タポバンを流れる小川と目の前にそびえるシブリン峰の美しさ、静けさと風の強さ言ったら、とにかく最高の思い出!
「ガンゴートリー」を訪れるおすすめの時期は?
ガンゴートリーはガンジス川流域にあるヒンドゥー教4大聖地のひとつでもあり、シーズンには小さな村が巡礼者で溢れかえることもあります。
2回行ったけれど、8月の上旬はシヴァ神の巡礼のシーズンだったみたいでオレンジ色の服を着た巡礼者がたくさん。2度目にタポバンまでのトレッキングのため8月の終わりに行った時には逆に閑散としてた。
歩いて巡礼している人をたくさん見かけたけれど、派手に装飾された車でやってきている人たちも。
冬場は凍えるほど寒く、また雨がたくさん降ると土砂崩れなどでガンゴートリーまでへの道が途絶えてしまうので、4月~6月と9、10月がよい時期だそうです。(年による気候の変動やトレッキングをするかしないかにもより変わるのでその都度確認しましょう!)