スペインのジローナにあるミシュラン三ツ星レストラン「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」。スペイン人のロカ三兄弟が展開するお店は大人気ゆえ、予約を取るのが難しいのです。
でもジローナには、この三兄弟のルーツでもあるレストラン「カン ロカ」と、彼らが経営するジェラート屋「ロカンボレスク」もあるとのこと。

食べるのが大好きな私としてはどうしても行ってみたくなったのです。リーズナブルな価格でおなかいっぱいになるコース料理に、がぶ飲みワインもついてきて個人的には高評価。(もちろんジェラートも)
ということで、今回は「カン ロカ」と「ロカンボレスク」のご紹介です。
(情報はアップデートしていますが食べに行ったのはもうかれこれ10年ぐらい前の話。ということを承知の上で読んでもらえたら嬉しいです。)
スペイン人のロカ三兄弟とは?!
1986年にスペインのカタルーニャ州にある街・ジローナにオープンした「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」で活躍するスペイン人のロカ三兄弟。
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長男ジョアンがマスターシェフ、次男ジョセップはソムリエ、3男ジョルディはパティシエ 。両親経営のレストラン「カン ロカ」で育った兄弟。
キッチンから聞こえてくるお皿、ポット、フライパンの音や賑やかにおしゃべりするお客さんたちの声。バルエリアは寝室、宿題をしたりテレビをみたりする遊び場。そんな環境全てによって彼らの六感が磨き上げられたのでしょう。

何世代にも渡ってレストラン業界に従事してきたファミリー。料理の味、経営方法、サービスなどレストラン経営に関わる全てが代々受け継がれ、今の形を生んだのではないでしょうか?!
ところでロカ三兄弟はとどまることを知らず、さらにビジネス展開中。ジローナと近郊にホテルやワインバーまでも所有しています!(詳しくはこちら「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」のサイト)。
世界のベスト レストラン!「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」
カタルーニャの伝統と創造性に重きを置いた「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」。

2009年にミシュランの三ツ星を取得、毎年発表される「世界のベスト レストラン 50」ランキングでは2013年と2015年に世界の第1位に選ばれました。
第1位に輝いた経歴から今や「ベスト オブ ザ ベスト」カテゴリーに昇格し、年次ランキングの対象外。
予約は取りにくいのですが、11ヶ月前から予約できるそうなので予定が決まっている人は試してみてください!
レストランがあるのは、バルセロナから高速鉄道で40分の街「ジローナ」。

しかもジローナの新市街で中心地から更に車で約10分とアクセスはあまりよくありません。でもジローナの歴史ある旧市街は美しく、レストランと一緒に訪れる価値がある場所。

私は予算の都合から、「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」ではなく、三兄弟のルーツとなったお母さんの味が堪能できる「カン ロカ」の方に行ってきました。
17ユーロのコース料理で家庭の味を堪能
「カン ロカ」は三兄弟のレストランのすぐ近く、徒歩で10分以内のところ。
入り口は2ヶ所。1つは食堂のイメージみたいで気軽に入りやすい雰囲気。もう1つは以前「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」があった場所なのでソファーもあり、高級感が漂っていた。

どちらの席に座ってもメニューは一緒なのでそのときの気分に合わせて選んでみてください。
メニューは前菜、メイン2つ、デザートに飲み物(炭酸水とハウスワイン)とパンもついてきて、17ユーロ(2025年現在)。

グラスワインが出てくると思っていたらまさかのボトル。ちょっと乱暴にドン!ってテーブルに置かれた。
味はブドウジュースに近いがぶ飲みワインだったけれどスペインで飲むと何故か美味しく感じる。気候のせいか、雰囲気って大切だなあとつくづく思う。
- 少し遅く行くと食べたいメニューがなくなっているという悲しいことになるので、開店時間と同時ぐらいがおすすめ!
- 予約なしで行ったけれど、今では2週間前から予約もできるとのこと。
- 夏の時期や年末年始はスペインあるあるで、長期休暇をとることがあるのでご注意ください。
- メニューはカタルーニャ語で書かれていますが、翻訳機にかければ日本語で表示されます。ただ、早口なスペイン語で話しかけられるのでオーダーにはパワーが必要かな。
どれも食べたくなるメニュー 前菜は3種類!
気になるメニューとはいうと……時期によってメニューが変わるそうですが、 前菜は、サラダ、ポーチドエッグ、ガスパチョの3種類からひとつ。
カタルーニャ名物の「フィデウア」も!メイン料理 1皿目
サラダ、野菜入りのパイ、カネロニ、肉入りの豆料理、カタルーニャ名物のフィデウアなど。
フィデウアとは、お米の代わりに細いパスタの麺を使ったパエージャのような料理。フィデウア食べたかったのにやっぱり人気なのかなくなっていて、トリッパ入りのレンズ豆をオーダー。
別の日にはカネロニ(中身はツナっぽかった)。
「メルルーサ」やカタルーニャ特産の「ブティファラ」も!メイン料理 2皿目
メインの2皿目はお肉やお魚料理を選べます。メルルーサのオーブン焼き、豚肉の炭火焼き、子羊のロースト、炭火焼きのブティファラ、イカの煮込み・肉団子付きなど。
「ブティファラ」とは、カタルーニャの名物で、マツの実が入っていたりする豚のソーセージのこと。
「メルルーサ」はスペインでよく食べられる白身魚でタラみたいな感じかな。子羊と迷った末、メルルーサをオーダー。
別の日は、少し前から子羊が気になっていたので子羊をオーダー。
美味しかったのだけれど、残念だったのは頼んだ料理の味付けが似てしまっていたこと。余裕があればどんな味付け、調理方法なのか聞けばよかったなと学んだ。(今ではメニューに調理方法も書いてあります)
煮込みや炒め、オーブンでじっくりなど、調理方法も異なるので本当に迷ってしまいます!
デザートはカタルーニャ名物「クレマ カタラナ」がおすすめ!
この時点ですでにお腹は満たされているけれど、スイーツはやっぱり別腹。カタルーニャ名物のクレマカタラナは一番のおすすめ。

クリームブリュレとは違うけれど、似ている(と思う)スイーツ。表面がこんがりと焼かれてて中はとろーりとしたクリーム。
他にもアイスクリーム、プリン、ヨーグルト、パンナコッタ、オーブン焼きリンゴ、パイ、フルーツ(スイカやメロン)など。
2度目の訪問で選んだのはプリン。これも濃厚で美味しかった。
甘さたっぷりのクレマ カタラナ、プリンにはコーヒが必需品。
自然の甘さがやみつきに!ジェラート屋「ロカンボレスク」
カタルーニャ地方は日本に比べて乾燥しているので、カラカラになった喉を潤すにはぴったりのジェラート。
三兄弟が経営する材料にもこだわったジェラート屋「Rocambolesc Gelateria」。自然の素材を生かし、甘さも控えめで罪悪感なく食べてしまえた。
バニラはバニラビーンズがはっきりと目に見える大きさ。こんな濃厚なバニラアイスクリームを食べたことがないというくらい、こってり、とろり、でも口当たりはさっぱりな味だった(と当時の日記に書いてあった。)
季節によって若干変わるというフレーバーは6種類。バニラ、チョコレート、イチゴの定番に加え、焼きリンゴ、スミレ風味のココナッツ、ドゥルセ デ レチェ入りヨーグルトなど。

テイクアウト用の大きいサイズアイスは500ml入り。上の味に加えて、アーモンドヌガー、ニンジン・アプリコット・オレンジのミックスなどもあります。
「ロカンボレスク」はバルセロナにも店舗があるのでバルセロナでも食べれます!
バルセロナから高速鉄道で40分!アクセスもよいジローナ
ジローナの街には約2000年の歴史が凝縮された美しい旧市街があります。
こじんまりとしていて、歩いて回ることができ一目で気に入ってしまうはず。レストラン目的でも、旧市街散策目的でもどちらも裏切らないそんな場所です!