バルセロナを出発して高速鉄道に乗って約40分。都会の喧噪とは違ってのどかな風景が周囲に広がる「ジローナ」。紀元前1世紀の古代ローマに始まり、20世紀まで2000年以上にわたる異なる時代の建造物が点在している旧市街と川にかかる橋から眺める景色にうっとりしてしまうほど。
迷路のようなユダヤ人地区、2つの要塞、ロマネスク・バロック・ゴシック建築の融合する大聖堂がぎゅっと凝縮されていて、1〜2日でも歩いて見て回れるほどの大きさ(でも私は1週間ぐらいのんびりしてた)。
そして忘れてはいけないのが食!3つ星レストランにそのルーツとなったリーズナブルなレストランと毎日でも食べたいジェラート屋さんまで揃っています。
ジローナの見どころをまとめて紹介します!
それぞれの時代に思いを寄せて旧市街散策!
ジローナの街を流れるオニャール川。新市街と旧市街を隔て、東側に広がる旧市街は中世の街並み。川岸ギリギリに建てられた住宅が特徴的で、遠くからでも見える大聖堂の一部は歩く時の目印。
バルセロナから電車で来た場合は、駅から街の中心まで1キロメートル、歩いて15分程度。
ジローナの街は、「ゲーム・オブ・スローンズ」シーズン6の撮影地(だそうです)。
エッフェル塔の建設者「エッフェル」がつくった真っ赤な橋
新市街と旧市街を行き来できるオニャール川にかかる橋は全部で5つ。
その中でも目を引くのが変わったデザインと鮮やかな赤の「Pont de les Peixateries Velles」。通称「エッフェル橋」か「鉄の橋」。
エッフェル塔の建設者ギュスターヴ・エッフェル氏によって、パリのエッフェル塔をつくる前の1877年に完成したそう。
大聖堂近くの「サン フェリウ橋」は昼間はごく普通の橋が、夜になるとライトアップされ、2つの大聖堂との光景が印象的。
一番南にあり、駅から来ると最初にぶつかる橋が「ポン デ ぺドラ」。石の橋という意味で、その名の通り石でできている橋です。
圧倒的な存在感!「サンタ マリア大聖堂」
ジローナの街の最も高い場所にそびえ立ち存在感のある大聖堂。別名「サンタ マリア大聖堂」と知られています。

回廊とタワーはロマネスク、ファサードと階段はバロック、身廊はゴシック(この建築様式では世界最大の23メートル)と、3つの建築様式が融合しています。
大聖堂の目の前には階段がありカフェがある広場に続きます。博物館に飾ってある有名な天地創造のタペストリーをお見逃しなく。

広場側の大聖堂が紹介されがちだけれど、裏側?反対側も美しいのです!
そして東側には緑いっぱいの「ドイツ兵の庭園」もあります。ドイツの傭兵部隊の旧兵舎に由来しています。

歴史をめぐる散歩道(Passeig arqueològic)
旧市街はどこを歩いていても歴史を感じる道だけれど、ここは特に?!「Passeig Arqueològic(歴史街道)」と呼ばれ中世の時代に迷い込んだみたい。
大聖堂の北側にあって「Plaça dels Juratsという広場と石橋」、「アラブ浴場」、「Sant Pere de Galligants(サン ペレ デ ガリガンツ教会)」、「Capella de Sant Nicolau(サン ニコラウス礼拝堂)」が見どころ。

この辺りは「ゲーム・オブ・スローンズ」シーズン6の撮影地そのものなのでドラマ好きには欠かせない場所。
サン フェリウ教会と広場のライオン
大聖堂とセットで写真に映っているのがこの「サン フェリウ教会」 。ジローナで最も古い教会の一つで、ロマネスク様式とゴシック様式が混在しています。
そして目の前の広場にあるライオン。ライオンと言っても本物ではなくライオンの像(彫刻)が列を成すほど大人気。広場にあると分かっていてもうっかり見過ごしてしまうくらい小さく、棒の上にくっついる感じ。

その秘密は、お尻にキスをするとまたジローナに戻ってくることができるという伝説で知られています。(と教えてもらったのでちゃんとやってみた)
像の脇にはきちんと階段あって、棒にくっついて高い位置にいるライオンのお尻にキスできるようになっているのです。
迷路のような旧ユダヤ人地区
ジローナのユダヤ人地区、通称「El Call」は保存状態がよいことで有名。小径と階段が繰り返し現れる迷路のよう。
サンタ マリア大聖堂の南側に広がり、中心はフォルサ通りと細い道に石の壁が印象的な「マヌエル クンダル通り」。

道に迷ってしまったらカテドラル(大聖堂)の場所など目印になる建物を聞いてみて位置を確認してみてください!

サグラダ ファミリアの受難のファサードに施された彫刻の作者「ジュゼップ マリア スビラックス」がつくった「建築家」という名の銅像も必見!(場所はここ)
中世の街並みを眺める贅沢な城壁の散歩道
11世紀から15世紀にかけて建築された中世の街を少し高いところから一望できる城壁。

城壁はこんな感じで歩ける道になっています。
旧市街側のカタルーニャ広場の辺りと大聖堂の東側・先ほど紹介した「ドイツ兵の庭園」の近くに入り口があります。
散歩の休憩にぴったり「ランブラ デ ラ リベルタト」通り
旧市街側の「Rambla de la Llibertat(ランブラ デ ラ リベルタト)」はオープンエアーのレストランやお店が立ち並ぶ通り。
木々も植えられていて心地よく過ごせます。場所はエッフェル氏建設の「エッフェル橋」と「石の橋」の間。
ライトアップが美しい!夜の街歩き
ジローナはスペインの他の街同様、夜も賑わっています。特に夏のシーズン中、バーやレストランには屋外にテーブルや椅子が並べられおしゃべりしている人たちがたくさん。そして昼間とは違う雰囲気になる大聖堂。
夜の美しさはこの写真で伝わってくるかな。「サン フェリウ橋」もライトアップされてロマンチックな雰囲気に。
まさに映画のワンシーン「サン マルティ教会」と「サン ドメニクの階段」
旧市街の見どころのひとつが「サン マルティ教会」エリア。バロック様式のファサードと階段が特徴的でここも「ゲーム オブ スローンズ」シーズン6の撮影地。

この辺りの階段や狭い路地からは歴史的な物語が感じられるとにかく素敵な場所。
新市街の名所「独立記念広場」と「ラ デベサ庭園」と「カンロカ」
新市街にも見どころが3つ(正しくは5つかな)!独立記念広場では広場を囲むようにカフェやレストランがあり落ち着いて過ごせます。
「ラ デベサ庭園 」は巨大な木で覆われた道がとにかく美しく日差しが強い時間帯でも涼しく過ごせる穴場。
これを食べるためにジローナに行っても後悔しないぐらいの場所が「カンロカ」と「エル セジェール デ カン ロカ」と「ロカンボレスク」。
(「ロカンボレスク」はバルセロナやその他の都市にもあります。)

長くなるので、レストラン「カン ロカ 」とジェラート屋「ロカンボレスク」については別の記事で紹介します!
往復約10キロ!「サン ミケル城」と絶景に出会えるハイキングコース
ジローナ周囲のハイキングコースは、カテドラル近くからスタート。途中の景色は飽きることがないほど美しいのです。
自然の中を歩くこと2時間「サン ミケル城」が目の前に。中に入って階段を上ると、遠くに山々を望む絶景が望めます。
標高約400メートルのその頂上にある建築群は、中世の要塞跡に建てられた、聖マリアと聖ミケルに捧げられた古い礼拝堂。
ハイキングコースの途中には、古代の噴水、独特な手法で石を積み上げた不思議な遺跡など見どころがたくさん。
近郊の街のビーチやダリ美術館も必見!
ジローナ近郊にも見所はたくさん。カタルーニャの美しいビーチが点在するコスタ・ブラバ。ジローナから車で30分ほど、電車やバスでもアクセス可能です。そして有名なダリ美術館のあるフィゲラスへは電車で30分~40分。
歴史ある街並、そして山も海も、芸術も、全部楽しみたい方におすすめ。