ブラジル人にとっての一大イベント、「カーニバル」。仮装をした人々が道路に繰り出し、ライブ音楽や力強い太鼓の演奏とともに、大騒ぎするストリートカーニバル、通称「ブロコ」。
ブラジルに行くまではカーニバルはリオ・デ・ジャネイロ(以下リオ)に行かないといけないの?と、無知だった私ですが、この「ブロコ」がおこなわれる街へ行けば楽しめる、ということを知りました。
ブラジルのカーニバルで「ブロコ」に参加した様子を実体験と共に紹介します!
ブラジルの三大カーニバル聖地はどこ?
カーニバルといったらやっぱり「リオ」を思い浮かべますよね。でも実はブラジルではたくさんの街でカーニバルがあるのです。ブラジル人に聞いた三大カーニバルとは、「リオ」、「サルバドール」、「レシフェとオリンダ」とのこと。
初めてのカーニバルでは、三大カーニバルのひとつ「レシフェとオリンダ」に行っています!
大胆な衣装で華麗にサンバを踊る姿が印象的なブラジルのリオ・デ・ジャネイロ(以下リオ)のカーニバル。カーニバルといえばリオをイメージすると思いますが、ブラジルのたくさんの街で開催されているんです!カーニバルをどこで過ごそうかと考えてい[…]
でも、サンパウロ出身の人はサンパウロ、ベーアガ出身の人はベーアガのカーニバルが一番だよ!と言い、結局のところ地元のカーニバルが好きだったりするのです。(ベーアガとはミナスジェライス州にある街。)
さて実際に、私も別の街でカーニバルのブロコに参加してみたら、めちゃくちゃ楽しかった!
ブラジルのストリートカーニバル「ブロコ」と「ピポカ」って何?
ではブロコって何?と思いますが、ブロコとはストリートカーニバルや路上パーティーと言われていて、仮装をした人々が道路をパレードしお祭り騒ぎをすること。
個人的にブロコを気に入った点は、生演奏の音楽があることと、それぞれがテーマを持っていて違う雰囲気を楽しめること。太鼓をはじめとして迫力満点の鼓笛隊のような演奏や、有名なミュージシャンが歌ってたりと、とにかくほとんど全てが生演奏なのです。まれにスピーカーに大音量で音楽をかけているブロコもありますが。
詳しくはあとで紹介しますが、アフロなダンスと演奏、テーマを決めた仮装だったり、歴史的な人物をモチーフにしたものだったりと様々。
楽しみ方はいろいろで、お金を払って特等席(カマロッチ)で参加する方法があります。これはより近くでブロコの人たちと踊ったり音楽を聴いたり、お揃いのTシャツを着てみたりと、より連帯感を感じられます。
でも、売り切れてしまっていたり金銭的な問題で買えないという場合でももちろん参加することもできます。それがピポカ。このピポカとは、特等席の外の場所でブロコに参加することです。音楽は大きいし、少し遠くからみる感じですが、ピポカとして参加しているブラジル人もたくさんいます。
トラックやバスに続いて人々が踊ったり跳ねたりして続いてくだけなのですが、これはこれでとっても楽しく、ピポカの方が好き!という人もいるのです。
ちなみにピポカとは、ポルトガル語でポップコーンの意味。この跳ねたり踊ったりする姿がきっと、ポップコーンをつくる時にパチパチ弾けている様子みたいだからこう呼ばれているのかな、と思います。
次では、どんなものがあるのか、具体的にいくつか紹介します!(ここで紹介するのは多数あるブロコのほんの一部でとにかくいろんな種類のブロコがあります。)
太鼓の生演奏とアフロな踊りが迫力すぎる!「アフロ オドゥドゥワ」
ブラジルなのになんでアフロ?と思うかもしれません。歴史を話すと長くなるので簡単に説明すると、アフリカから奴隷として連れてこられた時代があり、ブラジルの特にバイーア州にはアフロな文化が多く残っているのです。
いろんな種類の太鼓を担いで叩きながらパレードする人たち、それに続いてアフロなダンスで踊るダンサーが続きます。
他のブロコの太鼓の演奏も迫力ありますが、私の心に強く響いたのがこのアフロのブロコ。おそらく奴隷時代の悲しい歴史とこの地に関連しているんじゃないかなと思います。(写真だと迫力が伝わらないので近いうちに動画をアップします!)
ブロコの名前になっているオドゥドゥワとは、アフリカに起源を持つ宗教「カンドンブレー」の神様の一人の名前。
でもアフロなブロコはサンパウロ、リオをはじめとし小さな街でもあったりするので、滞在する場所で聞いてみてください!
迫力満点の太鼓にあわせてサンバを踊りまくる!「カブラウの汗」
バイーア州の南の都市ポルトセグロの大通りを通行止めにして、太鼓の演奏とサンバを踊り人々が続く大々的なパレードが有名なブロコ「Suvaco do Cabral」。太鼓を叩いている人、踊っている人の数が半端ないほど多いのです。もちろんそれに続くピポカも。
大通りが人で溢れるその訳は、ブロコの人気はもちろん、開催される日がカーニバルの翌週末だから。ブラジルのカーニバル期間が終わった週の週末と他のどのブロコとも日程がずれているので、別の街からもやってきたりする人もいるのです。
お祭り大好きなブラジル人たち、いろんな理由をつけてカーニバルの余韻に浸っていたいのです。別の街で自分たちのカーニバルパレードを終えた?人々までもやってきます。
ブロコの名前は、ブラジルを再発見したポルトガル人の航海者、カブラウ(カブラル)の名前をモチーフにしています。歴史の人物を掲げることで文化と歴史を融合させるという理由からだそう。面白いのは、suvacoとは汗という意味なので、直訳すると「カブラウの汗」となるのです。
これは、リオにある有名なブロコの名前「スバコ・ド・クリスト」に由来しています。あの有名なキリストの像がある下の方のエリアに住んでいた有名な作曲家トム・ジョビンが、自分の家ではすべてがカビてしまう、なぜなら自分は「キリストの汗」を浴びているから、と言っていた言葉からヒントを得たそうなのです。「カブラウの汗」という名のブロコがあるポルトセグロは、1500年にブラジルが再発見された際にカブラウたちが最初に上陸した場所なのです。
魅惑のドリンク?海の神?「ネプチューンの子供たち」
ブロコの名前でもあるネプチューンとは、ローマ神話の海の神のこと。それと同時にこの界隈で知る人ぞ知る、伝統的で魅惑のドリンクの名前でもあるのです。ネプチューンなので、テーマカラーは青と白。海沿いの場所なので、海と空の色と合わさっていっそう鮮やかに感じられます。
このネプチューンというドリンク(現地ではネトゥーノという名前)は、ブラジルを旅行していても出会わないこともあるぐらい、一部にしか出回っていないのですが、特定の地域では人気があるのです。ジンジャーを使っていて、飲んだ後に喉にその強さ感じるほどで、特に美味しいのかと言われると微妙な感じです。が、なんでこんなに人気なのかそれは値段の安さなのか、ワインのようにボトルで売っているのでみんなで買ってシェアしやすいからか、話題性なのか……
一時期よく飲んでいましたが、正直体には決してよいと感じなかったので、今はもう飲んでいませんが、機会があれば試してみて感想を聞きたいです!
話はそれましたが、このブロコのある村が自然が多く、癒される上に、この村で1番の人気と言えるブロコなので、とにかく大盛り上がり。そして最後はビーチ沿いのバンガローというか海の家のような場所に行くのでそれだけでも楽しいのです。
ブラジルのカーニバルのサンバのブロコで演奏している曲は共通していて、いくつか参加してみると、あーこの曲知ってる!となってより盛り上がることができました。
仮装は自然の泥パック!ビーチも楽しめちゃう「泥のブロコ」
これは、残念ながら日付を間違えていて、私は参加できなかったのですが、友達が行ってみてすごく楽しかったとのことなので紹介します。
それぞれが楽器を持ってきて演奏したり、スピーカーで音楽をかけたり、ビールを飲んだりしながらビーチまで歩きます。到着した先には川もあり自然の泥があるので、その泥を使ってみんなで泥パックをして、また街まで帰ってくるというユニークなブロコ。
また、リオ州にある「パラチ(Paraty)」という街でも同じようなブロコがあるということがわかりました!
気合が入っている男装・女装なブロコと主役が子供のブロコ
男性は女装、女性は男装する、というのがテーマのブロコ。みんな気合が入っていてすごい!ここまで本格的にできるブラジル人ってすごいなあと感心してしまうほど。
また子供が主役のブロコだと、他のブロコよりも子供がたくさんいてとにかく可愛いの一言。
この男装・女装、子供が主役のブロコは、いろんな街で開催されています!
おまけ カーニバル前のブロコの練習も見逃せない!
見逃して行けないのはカーニバルの練習!ブラジルでは年が明けた頃、そしてカーニバル開催月になったらまるでもうカーニバルが始まったかのような雰囲気。
どこの街でも年が明けた頃からカーニバルの練習が始まります。本格的なところではもっと前から。この練習はカーニバル本番ではないのにかなりの盛り上がり!カーニバル前からも盛り上がる練習にも参加してみると楽しみが倍増。
何度かカーニバルの時期を過ごしたことがありますが、この時期にはリオには一度も行ったことがありません。いつかは行ってみたい!