インドの仏教4大聖地の一つ「ブッダガヤ」。周辺には、修行から悟りを開くまで過ごした、お釈迦さまゆかりの地があると知り、バラナシから行ってみた。
彼が修行していた約2500年前と変わらないような、田舎な風景のスジャータ村。釈迦として6年間修行していた洞窟、悟りを開いた菩提樹にそこに建てられたお寺と、釈迦ずくめ。
さらには仏様の顔に見える山まであった。まるで今でも彼が村で瞑想をしているかのよう。ブッダガヤとスジャータ村周辺をめぐる、私が旅したブッダ(釈迦)三昧のモデルコースです!
ちなみに日本では「ブッダガヤ」と呼ぶけれど、インドでは「ボッドガヤー」という発音に近い。英語表記のように「Bodh gaya」と読む感じかな。「ブッダガヤ」と言ってもほぼ通じなくて、旅の途中で気づいた。頭の片隅に覚えておくといいかも。
7:00 早起きは三文の徳?! 仏教の聖地「マハーボディ寺院」へ!
釈迦が悟りを開いた場所で、仏教徒憧れの聖地が「マハーボーディ寺院(大菩提寺)」。お坊さんや巡礼者をたくさん見かけ、みんなこのお寺を拝みに、釈迦と同じ場所で瞑想するためにこの地にやってくるのです。
最も古い仏教寺の一つで、全てレンガでつくられている珍しいお寺。写真の本堂は高さ52メートルで、内部には金箔の袈裟をまとった仏像(釈迦如来像)が祀られています。
お寺の開いている時間は、5時~21時まで。早朝はまだ空気が汚れてなくて、清々しい気分で観光できおすすめの時間。
釈迦が瞑想をし、悟りを開いた場所がこの菩提樹の下。彼が使っていたという金剛座も残っています。
同じ場所で瞑想したり祈りを捧げる人々の姿が多いので、静かに過ごしてくださいね。もちろん私もお釈迦様と同じ場所で瞑想。長い時を超えて繋がる何かがあるような気がした。私はまだ悟りを開くまでに至っていないけれど(笑)。
他にも見られる珍しい点は、ヒンドゥー教と仏教の融合。仏教寺でありながら、ヒンドゥー教の神様が、壁画や銅像としてところどころに表現されているのが面白い。
これはもともと、紀元前に建てられたお寺の一部が今でも残っているからだそうです。
次のスジャータ村ではランチを取る場所がなかったので、ブッダガヤを出る前に何か食べておくとよいです。
おすすめは、ブッダガヤあたり発祥の栄養ドリンク「サトゥ」。玉ねぎ、唐辛子のみじん切り、塩、クミンシード、レモン、ダールの粉をお水に混ぜたもの。
10:00 ナイランジャラー川を渡ってスジャータ村へ
ブッダガヤの街とスジャータ村の間を流れているナイランジャラー川。川の向こう側のスジャータ村からその先の観光には、オートリクシャー、もしくはバイクなどが必要です。
川にかかる道路を渡ると車はほとんど通っていなくて、騒音もなし、のどかな村へと一転。田んぼやあぜ道が広がり、騒がしさから解放されます。
まずはスジャータ寺へ。ここは、ブッダを救い、悟りの道へのきっかけとなった場所。
スジャータという女性が、苦行をやめて下界へ降りて来ていた釈迦に食事を供したそう。インドではキールと呼ばれる、お米をミルクで甘く煮たライスプディング(ミルク粥)。スジャータが釈迦にお粥を捧げている銅像があります。
ここで、バイクタクシーの運ちゃんが教えてくれた話。
昔々、山にある寺に籠って6年間断食をして長年修行に励む一人の青年がいたとさ。苦行をしても悟りを開くことができず、ある時山を降り、村の寺にやってきたんだ。そこで出会ったのがスジャータ。スジャータは彼にご飯を食べるようにすすめるものの最初は断っていたそう。
するとスジャータは、「食べ過ぎもよくないが食べなさすぎも修行にはよくない」と。要は、極端だと物事は思うようにいかないと、言い聞かせて食べるよう説得したとさ。
スジャータの言葉を受け入れ、長年の修行で疲れ切っていた釈迦はそれを食べて、元気になったんだ。そして、川の向こう側(ブッダガヤ)へ行き、菩提樹の木の下で、のちに悟りにつながる深い瞑想に入ったのさ。
このお寺にある菩提樹は、奇跡の木とも呼ばれているそう。
何故かというと、スジャータは結婚していたけれど子宝に恵まれず、この村へ戻ってきていて、子供が欲しいと、この木の下で願っていたところ、それが現実になった、という言い伝えもあるとか?!
願い事が叶うかもしれない、いや叶うはずの奇跡の木の下で、私も願いごとをしてみた。(でも何をお願いしたのかはもう忘れてしまったけれど叶ったはず! )
11:30 巨大な菩提樹と村を見守るブッダ !
ブッダが修行していた山、前正覚山へ行くまでの道は心が癒される風景。
「トトロの木」として知られているこの巨大な菩提樹で、束の間の静寂な時間を過ごせます。車が通る代わりに、インドに欠かせない牛の列が。木にできた自然の空洞に座って、土と木から両方のパワーを感じながらの瞑想できるパワースポット。
次に見えてきたのが、この仏に見える山。横たわっている仏様の顔を斜め上から見ているような感じかな(真横から見るともっとはっきり見える)。
アップでもう一度。右側が頭の部分、真ん中が顔、そして左側が胸。ブッダがこの地を見守っているんだーって思った。
12:30 お釈迦さまの修行の地「前正覚山」
ブッダが6年もの間修行を続けていたのが、「前正覚山」。オートリクシャーを降りてから、坂道を登ること約20分。
チベットのカラフルな旗・タルチョーが掲げられているのは、中腹にチベットの寺院があるから。
坂を登ったところからは今、通ってきた辺りの風景が広がってる。緑が一帯に広がるとっても静かな場所、こんなところで6年もの間修行を続けていたことがとにかく驚き。
写真の奥に見える小さな穴がドンガシュリ洞窟寺院の入り口。中に入ることができるけれど静寂を保ち、また周囲の人にも敬意を払いましょう。
狭く暗い洞窟の中に祀られているのは、やつれている銅像。これは、修行で断食をしやせ細っていたお釈迦さまなのです。修行の辛さが伝わってくるこの銅像にも拝むことを忘れずに!
洞窟を出てからさらに登り、山の上まで行くこともできます。せっかくここまで来たら、一番高いところからブッダガヤの街を眺めてみてください!
14:30 ブッダを救った女性・スジャータのゆかりの地へ
ブッダガヤの街へ戻る前に、もう1ヶ所立ち寄る場所が、スジャータ村にあるストゥーパ(仏塔)。ここからは、先ほど訪れた前正覚山が遠くに見える。
田んぼがどこまでも広がるこの風景や、藁葺き屋根の家を目にすると、ブッダが過ごしていた2500年前と変わらないみたい。
スジャータのためにつくられた、全てレンガ造りの大きなストゥーパ。
自由に出入りできるけれど、この辺りに来ると子供たちがガイドをかって出て、お金を請求してきたり、村への寄付を募る人たちが次々とやってくる。のどかな場所で癒されていた心が鬼に変わった(涙)
女性がこうやって重たい荷物を抱えていたり、靴も履いていない子供たちが歩いているのを見かけると心は痛むのですが、よってたかってこられた後には、なぜだか心付けを払おうという気持ちがなくなってしまっていた。
静かに観光を続けたければハッキリと断り、また心を打たれたら寄付するなど判断してくださいね。(かなりしつこくて大変だった……)
雨季以外は水もなく、写真のように乾き切っているナイランジャラー川を渡って、16時にはブッダガヤの街に戻ってこれるスケジュール。
体力に自信があれば、夕食後に、大菩薩寺を再び訪れてみると、夜はライトアップされ別の美しさが見れます。(夜はカメラを持ち込まなかったので写真はありません)。
また、ブッダガヤには各国の仏教寺もあって、日程に余裕があればもう少し滞在して、巡ってみてもいいかも。(私は1泊だけのなんと強行スケジュール!)
そして、このバイクのにいちゃんがナンパしてきてしつこかった。空想の彼をつくって激しく拒否したけれど。誰か仲間と行く方が楽しいけれど、強行スケジュールで誰かと知り合う時間もなかった。仏教の街なので勝手に安心感を持ってしまってたけれど、女性ひとりはやっぱりどこでも気をつけてください!
ヒンドゥー教の聖地「バラナシ」と一緒に行ってみよう!
ザ・インドの象徴、ヒンドゥー教の聖地バラナシが近くにある有名な街。行き方は、バラナシからガヤー駅まで電車で、そこからオートリクシャーが一般的。所要時間はトータルで5時間ぐらいでも、電車は遅延するのが普通。(タクシーを利用する方法もあり、この場合は約5時間~)
バラナシの記事はこちら
インドのガンジス川沿いにある、ヒンドゥー教の一大聖地「バラナシ」。人、車、バイクに牛までもが行き交いごった返す通り、神々しいサンライズ、汚れたガンジス川、いろんな顔を持つガート、古典音楽、スイーツ好き必須の食べ物、しつこくて話に割っ[…]
ブッダガヤでの観光を終えて、この日のうちにバラナシに戻ってくることもできるけど多分すごく忙しくなると思います。
ヒンドゥー教と仏教の聖地、バラナシとブッダガヤ、同じインドでも違う雰囲気を感じられる、やっぱりインドって面白い!